2015年10月11日日曜日

サイエンスツアー SPring8・西はりま天文台研修 2015.10.9-10

 1・2年生の希望者18名(1年男子3名・女子2名、2年男子10名・女子3名)と付添教員4名で,12日のSpring8・西はりま天文台研修に行ってきました。

【事前学習】107日(水)

 前期末考査最終日の午後、参加者全員を対象に事前学習を行いました。

(1) Spring-8SACLAについて(物理科 萩原先生)

Spring-8では、光速近くまで加速された電子が磁場の中を通過する事で進路が曲げられ、その時に放射光が発せられること、また、SACLAは世界最小の波長のX線レーザーを発生させる施設であること等、今回の研修に向けた基礎的な知識の学習をしました。

(2) 天体望遠鏡の使い方(地学科 藤野先生)

天体望遠鏡の種類と使い方、星空観察時の留意点について、実際に望遠鏡の操作を体験しながら学習しました。


天体望遠鏡の種類と操作法の実習

Spring-8SACLA10月9日(金)
貸切バスで朝8時に学校を出発し10時半頃、兵庫県佐用町にある大型放射光施設Spring-8に到着しました。初めに、テレビでSACLAが紹介されたときのビデオを見た後、研究員の方からSPrinng-8SACLAの概要説明を受けました。SPrinng-8でつくられる放射光のエネルギー8GeVは世界最高の大きさであり、これを用いることでより微細な物質の構造や機能を解析することができること、また、SACLAでは位相の揃ったX線レーザーをつくることができ、原子や分子の瞬間的な動きの観察が可能になることなどを解説していただきました。説明後生徒たちからは、eV(電子ボルト)とは?、放射光の人体への影響は?、電子はどうやって発生させるのか? など、積極的に質問をしていました。

SACLAとSPring-8の概要説明
 概要説明の後にSACLAを見学、その後バスで移動してSpring-8の蓄積リングの見学をしました。研究員の方からはSpring-8の施設について熱意あふれる解説を受けましたが、生徒からも、電子ビームから放射光を取り出していくと電子のエネルギーは小さくなっていかないのか?、Spring-8の蓄積リングが反時計回りになっているのは何か意味があるのか? などの鋭い質問があり、一つ一つの疑問に丁寧に説明をしていただきました。
 
SACLAの施設見学

SPring-8の見学と説明
 
【西はりま天文台】10月9日(金)~10日(土)
昼食後、西はりま天文台にバスで移動し、天体に関しての講義や天体観測実習を行いました。

1430分~1530分 昼間の星の観測会(60cm反射望遠鏡、太陽望遠鏡)
あいにくの薄曇りで、はっきりと見えたのはこと座のベガ(1等星)だけでしたが、昼間でも星を観測できることに生徒たちは驚いていました。その後、テラスに出て太陽の観測を行いました。フィルターを付けた太陽望遠鏡の方では、太陽のプロミネンスを観測することもできました。
60cm反射望遠鏡で昼間の星の観測

太陽の観測

1540分~1640分 天文講義「星の一生」(本田敏志先生)
ほぼ水素とヘリウムからなる星間ガスから誕生した恒星は、その質量によって運命が決まり、重い星ほど寿命が短いことなど、星の一生に関するさまざまな事柄について、詳しく丁寧に講義していただきました。太陽のフレアーは何くらいなのか?、太陽の一生は何年くらいなのか? など生徒たちから出された様々な質問にも的確に答えていただきました。

1640分~ 宿泊ロッジへ移動

1745分~ 夕食、入浴等

1930分~21時 観望会参加(2m反射望遠鏡・なゆた
公開用としては世界最大の2m反射望遠鏡「なゆた」の観望会に参加。青い雪だるま星団や天王星など、様々な天体を観測することができました。

2m反射望遠鏡「なゆた」
その後、テラスに出て天然のプラネタリウム「天プラ」を観察。夏の大三角形、プレアデス星団など、星空用の強力なポインターを使って楽しく解説をしていただきました。解説員の方は薄い雲がかかって約60%の見え方とおっしゃっていましたが、我々が日頃見る都会の空と比べれば快晴の満点の星空で、天の川もはっきりと見ることができました。

2110分~2230分 オリジナル観測会(60cm反射望遠鏡
生徒たちの希望で見たい天体をリクエスト。海王星やアンドロメダ銀河、渦巻き銀河M33、環状星雲M57など、次々と観測していきました。

2240分~深夜 自由観察(屈折望遠鏡、宿泊ロッジ前グランド
天文台から2台の天体望遠鏡を借りて、希望者が自由に観察・観測を行いました。冬の大三角形、オリオン座、カシオペア座など様々な星座などを満天の星空で見ることが出来ました。また未明には、金星や木星などの惑星と月が並んで見られるなど、多くの生徒たちが夜を徹して星空を満喫していました。
 
満天の星空を寝転んで観察
月と惑星