2013年12月29日日曜日

SSH台湾科学研修~4日目(最終日) 2013.12.28

 最終日の午前中は,台北市立成功高級中学に併設されている昆虫科学博物館での研修です。
 この博物館のある成功高級中学は,その前身の学校が1922年の創立で,伝統ある学校です。昆虫科学博物館は,この学校の卒業生そして教員でもあった陳維壽先生が収集したチョウの標本をもとに,45年前に設立ました。現在の展示施設は台北市の支援もあり,とても立派なものになっています。
 パンフレットによると,標本総数は3万点,標本の種類は5000種とのこと。台湾や世界のチョウを中心に昆虫の標本を展示し,標本を用いて学習することも可能な施設になっています。
 初めに,館長の陳維壽先生による講義です。日本統治時代に学生であった陳先生は,日本語で講義をしてくださいました。わかりやすい説明で,生徒一同,チョウの世界に釘付けです。


陳先生による講義

 陳先生によると,自然観察で不明な点を明らかにしたいとき,ただ見ているだけでなく,観察しながら想像力を生かして仮説を立てるというプロセスが大事であるとのこと。生徒は,早速,本物のチョウの翅を用いて想像力を働かせています。
チョウの翅を観察中



 引き続き,展示施設に移動して,陳先生から標本や実際の昆虫を用いて,講義を受けました。今日は,台湾昆虫生育保育協会の方も一緒に指導して頂きました。(10名程度のボランティアの方が,交代で昆虫科学博物館の運営をお手伝いしているそうです)
 展示施設に入って,びっくり。標本の数に圧倒されます。

<博物館・展示施設内では,特別に許可を得て写真撮影しています>
質問:昆虫の足の数は・・・?

標本を用いて,チョウの生態の解説


生きているナナフシを手に取る生徒


陳先生の説明を集中して聴いている生徒たち

  台湾は外貨獲得のために,かつてはチョウなどを標本,工芸品などとして多く輸出していました。陳先生によると,現在,台湾でチョウが減っているのは,チョウの住む森林の破壊や環境の変化のためとのこと。広く,台湾のチョウの世界について知って欲しいというのが,この博物館の願いです。

台湾原住民の方の蝶の採集について
 あっという間に2時間30分の昆虫科学博物館での研修が終わりました。

最後に,陳先生と一緒に記念撮影


 この後,レストランで昼食のあと,桃園国際空港に向かいました。