2018年8月28日火曜日

市大理科セミナー2018


  1. 主 催    大阪市立大学 大学院理学研究科・理学部
  2. 日 時    2018824日(金)
  3. 場 所    大阪市立大学 杉本キャンパス 基礎教育実験棟
  4. スケジュール
         ・スタッフ集合      13:40
         ・高校生集合             13:50 
         ・実習                         14:00-16:30 
  5. 講義・実習の概要
     実習
      題目
    内容
    参加人数
    ポテチの容器で宇宙線を見よう
    宇宙線とは地球の外に起源をもつ小さな粒子です.肉眼では見えませんが,いまこの瞬間にもみなさんに手のひらを毎秒1回くらい宇宙線が通り抜けています.しかし,霧箱と呼ばれる装置を使うと,飛行機雲のようにして見ることができます.ポテトチップスの容器,ドライアイスなどの比較的簡単に手に入る材料を使って霧箱を各人で製作し,宇宙線を観察します.
    科男
    身の回りにある色素の謎を探るー天然色素の単離とフェノールフタレインの合成
    花や果実など自然界はさまざまな色で彩られています.「ありえないもの」の代名詞であった青いバラも現実のものになりました.ここでは,ぶどうの皮に含まれる色素の単離やフェノールフタレインの合成実験を通して,色素の謎を探っていきます.
    科女2
    果物の香りを作ろう
    このテーマでは,皆さんの身近にある果物の香りをみなさんに実際に作っていただくと共に,色々な香りのもとになっている香り分子を紹介します.実験ではバナナ(酢酸イソペンチル)の果物の香り成分を作ります.
    文女1
    科男1
    科女3
    リズムを刻む不思議な化学反応
    通常の化学反応は一方向にだけ進むように見えます.この経験則に反する,溶液の色が周期的に時間変化する反応が知られている.そのひとつであるBelousov-Zhabotinsky反応の実験を行う.
    科男1
    科女1
    遺伝子解析によるタンポポの雑種判定
    ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)と電気泳動を使ったDNA長の測定は,現代の遺伝子解析に欠かせない技術です.身近な植物タンポポを材料に,これらの技術の原理と実際の応用例について学習します.
    科男2
    科女3
    偏光で見る自然
    身の回りにはいろいろな光があふれていますが,日常見ているのは一般的には無偏光です。偏光板を通すと無偏光は偏光と なります。偏光板を通して偏光でいろいろなものを見ると,日常見る光景と違った光景が見えます。この授業では日常見 慣れている青空が偏光していることや,結晶を透過してくる光が偏光していることを確かめます。方解石を通して文字を見ると 二重に見えることは有名です。方解石を通してみる二重文字と偏光との関係を確認し背景にある法則を考えます.
    科男1
    科女1
    合計20名


     大学の施設を使用しての活動にいささか緊張気味でしたが、良い経験になったようです。



最新の宇宙(千里高校版)

SSH北海道研修の事前研修として、宇宙をテーマとする学習会を実施しました。
※京都大学大学院理学研究科附属天文台主催の『金曜天文講話 最新の宇宙』をベースに、一部を抜粋する形で実施させていただきました。


7月13日(金)『宇宙の始まりから星・惑星形成まで』
        京都大学大学院理学研究科 嶺重慎教授


7月23日(月)『望遠鏡の進化と宇宙像の変遷』
        京都大学大学院理学研究科 長田哲也教授


いずれもSSH北海道研修に参加しない生徒の参加がありました。
少人数であったこともあり、質問しやすい雰囲気でご講演いただきました。
事前にお願いした質問にも親切に答えてくださり、充実感に満ちた研修となりました。
今年は7月31日の火星大接近、はやぶさ2 など宇宙をテーマとする報道が多く、
北海道研修に向けての期待が膨らむ企画となりました。








2018年8月18日土曜日

アントレプレナーシップ研修2018 inボストン 7/20~7/29

今年のアントレプレナーシップ研修はアメリカ ボストンにて行いました。
アントレプレナーシップとは日本語で起業家精神といいます。業家精神とも訳されますが、今回の研修は前者の「起業家精神(新しい事業を切り開くための精神)」を学ぶ研修でした。


伊丹空港にて
7月20日(金)
12時に伊丹空港に参加者(40名)全員が集合し、伊丹空港→羽田空港→ミネアポリス空港(アメリカ)→ボストン空港の経路で2回飛行機を乗り継いでボストンに向かいました。




7月21日(土)
タフツ大学寮の部屋
午前:研修中の宿泊場所はタフツ大学寮でした。寮生活に関する注意や研修の心構えを全員で共有し、いよいよアントレプレナーシップ研修の開始です。






午後:タフツ大学のキャンパスツアー後、地下鉄でハーバード大学に移動しました。ハーバード大学の研修室にて、自分たちで考えてきたペルソナ(潜在顧客像)について情報共有をしました。

7月22日(日)
午前:今日からアメリカの起業家達の講演がスタートです。
まずはハーバード大学にてPool Text社(サイエンスまたは医学系論文の出版編集で有名)ファーカン氏による起業家講演でした。オールイングリッシュに生徒たちは戸惑いながらも内容を理解しようと必死でした。質疑応答もすべて英語で行いました。
講演後、ハーバード大学の学生によるキャンパスツアーをしました。

午後:NVBOTS社(3Dプリンターで有名) AJ氏による起業家講演
アントレプレナーシップの他に、3Dプリンターの使い方(プログラミング時における注意)などを教わりました。この講演後、生徒たちはそれぞれのチーム名を3Dプリンターで作成しました。印刷終了は翌日。



7月23日(月)
午前:地下鉄にてMIT(マサチューセッツ工科大学)へ移動
MITの学生によるキャンパスツアー
広大な敷地に生徒達も驚いていました。
MITにて














キャンパスツアー後はMITリサーチアシスタントのアレキサンダー氏による起業家講演
実際に世に出回り始めている具体例(AmazonのAlexa等)を組み込んでアントレプレナーシップについて学びました。



午後:チームのアイデア中間発表
それぞれの考えたアイデアをわかりやすく聴衆に伝えるため寸劇スタイルで発表しました。

各チーム名の印刷(3Dプリンター)が終了しました。うまく印刷されたチームもあれば、プログラムにミスが生じ印字されていないチームもありました。
右上の球がミスによりスパゲッティ爆弾になりました





7月24日(火)
ボストン市内観光
レッドソックスで有名なフェンウェイパーク球場やボストン・パブリック・ガーデンなどを観光しました。

ファンウェイパーク球場
トリニティ教会
港町ボストン

7月25日(水)
午前:ワプリンガー夫妻(アンディー氏・ダニエル氏)による起業家講演
チームから考えたアントレプレナーシップについてのお話
また、顧客との接し方についてお話いただきました。




プロトタイプ作成中
講演後、プロトタイプ(後の改良を見込んだ商品の模型)作成開始
プロトタイプを使って顧客に商品説明を行います。
画用紙や紙コップなどを使い、生徒達は試行錯誤していました。




午後:ハーバード大学から地下鉄でノースイースタン大学へ移動
ノースイースタン大学キャンパスツアー
ハーバード大やMITとはまた違う雰囲気の大学で海外の大学への憧れがより強くなっている生徒もいました。


7月26日(木)
午前:CEEO(タフツ大学工学教育アウトリーチセンターThe Tufts University Center for Engineering Education and Outreach)スーザン氏による講演とレゴワークショップ
限られた材料(レゴブロック)のみでよりパフォーマンスの高い商品(よく進むロボット)を作るワークショップです。
スーザン氏からヒントを貰いながら作りました。
生徒が作成したロボット


ロボットレースも盛り上がりました
午後:タフツ大学内でインタビューワークとフィードバック
タフツ大学にいる学生から大人まで、様々な人達に英語で自分たちが考えた商品についてどう思うかインタビューしました。顧客の声を聞いてフィードバックし、更なる改良を進めます。
講師や先生からアドバイスを貰っています

夜:明日のプレゼンテーションに向けて、各チームは講師+先生と最終打ち合わせをしました。商品についてはもちろん、プレゼンテーションの方法・英語など様々な観点で修正をしていきます。



7月27日(金)
午前:プレゼンテーションリハーサル
これまでに考えてきたチームの商品をうまく伝えれるよう何度も練習します。

午後:プレゼンテーション本番
研修中に起業家講演をしてくださった、ファーカン氏・アレキサンダー氏・アンディ氏にジャッジをして貰いました。
プレゼン後の質疑応答にも生徒は頑張って英語で答えました。


プレゼンテーションお疲れ様でした。






7月28日(土)・29日(日)
早朝にタフツ大学からバスでボストン空港へ移動し、来るときと同様、ミネアポリス・羽田経由で帰阪しました。
台風の影響を心配しましたが、大きな影響もなく無事に伊丹空港へ帰ってくることが出来ました。

2018年8月11日土曜日

北海道研修2018

8月5日(日)~8月7日(火)北海道研修
目 的:ユニークな研究を行う大学や施設を訪問し,
    研究の最先端に触れる。
    研究者から直接レクチャーや指導を受け,
    課題がどのように見出されるかを,
    実例を体験することにより学習する。
    自ら課題を発掘できるように指導する契機とする。
研修先:北海道大学,なよろ市立天文台きたすばる
日 程:
 8月5日(日)伊丹空港→新千歳空港→札幌(北海道大学)
  →ホテル泊
  北海道大学では大学院理学研究院
地球惑星科学科の倉本圭先生の指導の下,
 大学院博士課程の松岡さんの研究を通して,
 火星の衛星を探究することの意義,
 ついて講義を受け,質疑応答を行った。
 7月31日の火星大接近の直後でもあり,
 様々な質問が出され,丁寧に対応いた
 だいた。特に,衛星を探究することの
 重要性については深く感銘したようだ。





 8月6日(月)ホテル→北海道大学→JR→
  なよろ市立天文台→森の休暇村泊
  昨日に引き続き,倉本圭先生の指導の下,
 より一般的な研究テーマの意義についての
 講義を受け,質疑応答を行った。
 「第二の地球は存在するか?」という講義の
 なかで,宇宙のスケール,星間距離の測定法
 などを基本的な内容や,
 地球に2度の氷河期が存在したことを
 どのように解明したか,どのような流れで
 起こったか,など盛り沢山の内容を平易な
 言葉でわかりやすく解説していただいた。
 地球はハビタブルゾーンの端に位置している
 ことについて,意外に思ったようだった。
  午後は,なよろ市立天文台に場所を移し,
村上台長さん,北海道大学の高木先生に
 講演をいただき,
 小型望遠鏡実習や1.6mのピリカ望遠鏡に
 よる実際の研究の様子を紹介いただいた。
 台長さんの「超新星爆発を数多く発見された
 アマチュア天文愛好家」についてのお話や,
 高木先生の女性研究者としての体験談
 を盛り込んだ研究経緯の講話の中で
 お話しいただいた金星をテーマとするに
 至った話は実際の体験談で参考になった
 ようだ。
 右の写真は望遠鏡ピリカの様子。
 年齢的に近い修士課程の大学院生大野
 さんには大学生活についても多くの
 質問を寄せ,その質問は23時近くまで
 続いた。




 8月7日(火)森の休暇村→札幌(北海道大学博物館など)→新千歳空港→伊丹空港
  天気に恵まれたこともあり,肉眼での天の川などの観測は深夜まで続き,
  寝不足でしたが,博物館では”皮膚の標本”に「意外と興味を持っていると気づいた」
  という感想を寄せるなど,十分に知的好奇心を刺激され,帰途についた。

まとめ:日常を離れ,日ごろの授業では学習しない内容や,
 授業で学んだ内容であっても,実際の研究者から話を伺うことや,
 異なった観点から研究を行っておられるお話を伺い,大きな強い刺激を受けた
 ようです。今後の日常的な探究活動に生かしてくれることを期待しています。