2010年11月17日水曜日

第54回大阪府学生科学賞 最優秀賞 大阪府知事賞 受賞! 2010.11.8

小・中学,高校生が科学研究の成果を競う第54回大阪府学生科学賞が10月29日に開催され,3年生の大西 裕介君と 松本 陸君の研究「加湿器を用いた簡易炎光光度計の製作」が,最優秀賞の大阪府知事賞(第1位)を受賞しました。


市販の高価な機器を用いるのではなく,身近な材料を用いて自分たちで工夫をして,水中のナトリウムイオンやカリウムイオンを測定する装置を製作しました。審査員の先生からは,「測定原理が分かりやすく,得られた測定結果も見事である」との評価を頂きました。
なお,この作品は大阪府代表として,12月の日本学生科学賞に出品されます。

最優秀賞受賞者によるプレゼン

表彰式

2010年10月15日金曜日

サイエンスツアー④福井県立恐竜博物館 2010.10.8

晴天のもと8時に学校を出発、トイレ休憩、食事を終えて12時には博物館に到着しました。この博物館は勝山市の中生代地層から恐竜の全身骨格が発掘されたことを契機に建設された「恐竜」をテーマとした自然史博物館です。研究員の方のミニ講義のあと、約3時間の見学でした。広大な展示場に恐竜骨格や化石標本ジオラマ、ほんものそっくり(?)に動く復元模型などが展示されていました。特別展 《アジア 恐竜時代の幕開け——巨大恐竜の進化》では、日本を含めたアジア地域に恐竜がいつごろ現れ、どのように進化していったのかを、多くの竜脚類の実物化石で紹介されていました。恐竜をはじめとして人類の出現まで古生物の世界や地球環境の変遷を堪能することができました。帰路は雨の中でしたが、予定時刻を15分越えて無事到着しました。


第1回SSH運営指導委員会 2010.10.4

 千里高校がSSHに指定されてから初めてのSSH運営指導委員会が開催されました。

Ⅰ.全体会
  ○出席者
  (運営指導委員)
    相本 三郎(大阪大学蛋白質研究所教授)
    市村 彰男(大阪市立大学大学院理学研究科特任教授)
    田辺 祥子(神戸大学内海域環境教育研究センター助教)
    宮本 憲武(大阪府教育センター教育課程開発部理科教育研究室室長)
    脇島 修 (大阪府教育センター教育課程開発部理科教育研究室主任研究員)
    久郷 正征(大阪府教育委員会教育振興室高等学校課主任指導主事)
  (千里高校教職員)
    校長、教頭、事務長、主席、及び教諭5名

 全体会に先立ち、8月に横浜で開催されたSSH生徒研究発表会で「ポスター発表賞」を受賞した2年生の榮祐弥君、橋本勇太君によるプレゼンテーションを行い、運営指導委員の先生方に見ていただきました。



(1)校長挨拶
(2)出席者自己紹介
(3)千里高校SSH事業の実施状況報告と今後の予定説明
 運営指導委員からは、「全員参加の行事と希望者参加の行事との違い」についての質問や、「学習スタイルと課題研究の指導について今後十分研究してほしい」などの意見がありました。
(4)講評及び指導・助言
 「普通高校ではできない体験型授業を実施し、SSH指定校としての成果を示せるように」、「総合科学科にとどまらず、国際文化科とのコラボレーション化を図ってほしい」、「アンケート結果を見て化学が好きな生徒が多いのには驚いた。その傾向を是非発展させてほしい」、「追従消極型が多くなる傾向があるので、国際文化科も含めて理科が好きになるような動機付けを」、「参加者が少ない行事も出ているが、生徒が参加に引き込まれるような工夫を考えてほしい」などの指導・助言がありました。
(5)校長謝辞


Ⅱ.分科会
 全体会の後、物理分科会、化学分科会、生物分科会に分かれ、それぞれ「科学探究」の内容や実践方法、テーマ設定、外部での研究発表などについてのアドバイスをいただきました。

2010年10月13日水曜日

サイエンスレクチャー① 2010.9.27

 総合科学科1年生全員を対象に,高輝度光科学研究センター産業利用推進室の二宮利男先生(元兵庫県警察本部 科学捜査研究所長)による「最先端大型放射光施設と安全・安心社会」と題した講演会を実施しました。
 兵庫県佐用町にある大型放射光施設Spring-8(スプリングエイト)では,放射光と呼ばれる電磁波(光速で直進する電子を磁石により進行方向を変えられたときに発生する電磁波)によって,原子レベルの微細な構造や働きを観察することができます。同規模の放射光施設は世界に3か所だけです。
 講演では,放射光の作り方や放射光と物質の相互作用について,またSpring-8の利用状況や学術成果についての解説がありました。放射光を用いると,極限的な微量分析が可能で,例えば押収麻薬をつくった国や地方が特定できたり,現場に残った微量の繊維から,その種類や製造元まで判定したりすることができます。科学捜査に使われる分析法について,丸秘でないもののお話も伺うことができました。
 1年生の生徒たちにとって難しい内容が含まれており,十分な理解ができなかった部分もありますが,講演を通して,放射光の利用を含め,社会に役立つ仕事について考えるきかっけになったかと思います。

2010年9月2日木曜日

大阪市立大学理科セミナー 2010.8.27

 泉北高校・住吉高校・高津高校と千里高校の4校合同で実施された「大阪市立大学理科セミナー」に,本校からは1年生3人,2年生3人の計6人が参加しました。

 午前中は二つのテーマ「動物と光のかかわり」,「宇宙の構造と進化をたどる」に分かれて講義形式で授業が行われましたが,大学の先生方は最先端の研究成果を高校生にも理解できるよう丁寧に解説してくださいました。

 午後は7つのテーマに分かれての実習・実験が行われ,1年生3人は「果物の香りを作ろう」に,2年生の2人は「化学発光とその応用」に,もう一人は「偏光めがねで観た自然」に参加しました。生徒たちは,自分の目で見たり,匂いをかいだりするなど,自分自身で確かめながら実験や実習に積極的に取り組むことができ,高等学校では体験できない有意義な一日を過ごすことができました。


サイエンス・フェスタ 2010.8.21~22

 毎年,8月の下旬に梅田のハービスホールで行われている「青少年のための科学の祭典・大阪大会 サイエンス・フェスタ」に,千里高校理科研究部の部員たちが参加し,子供たちを相手に「偏光ボックスをつくろう」と題した工作教室を開催しました。

 偏光板を2枚重ね合わせて一方を回転させると,明るくなったり暗くなったりしますが,その2枚の偏光板の間にセロハンをはさむと,セロハンが様々に色づいて見えます。これを利用した箱を子供たちに作ってもらいました。理科研究部の部員たちは,子供たちの前で指導をするのは初めてでしたが,教えることの難しさと楽しさを体験することが出来ました。

 

2010年8月29日日曜日

サイエンスツアー③ペルセウス座流星群観測会(和歌山県かわべ天文公園) 2010.8.11~13

【1日目昼】:稲村の火の館(津波防災教育センター)の見学
和歌山県は繰り返し起こる巨大地震で過去に何度も津波の被害を受けてきました。安政地震津波襲来時、稲むらを燃して被災民を誘導し、私財を投じて被災後の復興と防波堤を築くなど防災に尽力した濱口梧陵翁の偉業を紹介し、津波を中心とした地震防災の体験的に学ぶことができる施設です。
津波のメカニズムを体験する巨大水槽の津波シミュレーションをはじめ、防災に関する多くのことを体験的に学びました

【1日目夕
 かわべ天文公園 観測所 着
 和歌山県日高川町かわべ天文公園内 観測所
【1日目夜
 HROによる電波観測開始
 アンテナ設置、パソコンモニタ開始
 
 雨天のため目視観測は断念

【2日目夕
 天体観測基礎技術講座(府教育センター桝井俊彦主任指導主事)
 天体観測に欠かせない天体望遠鏡の組み立て実習
 プラネタリウム観覧
 観測所ドーム内の主鏡1m望遠鏡による金星観測
 
 以後曇天のため部屋で天体写真による天文学基礎講座

【2日目深夜〜
 深夜観測可能になり望遠鏡による観測
(木星、アンドロメダ大星雲、白鳥座付近の天の川を観測)
 
 流星群の観測が可能になり四方位分割の目視観測を開始
 その後、桝井先生による大型望遠鏡の天体観察会
 (天王星、こと座リング星雲など)

【3日目朝
 黒点とプロミネンスの観測

流星電波観測HROHam Radio Observation)は福井県鯖江市から常時発射されている観測用の電波(周波数53.750MHz)利用します。流星が大気圏内に突入して発光する際に、周辺大気が一時的電離状態になり、流星の飛跡に沿って短時間"電離柱"が生成されます。電離柱で反射された電波は"流星エコー"と呼ばれ、大規模の流星が突入の際には観測される流星エコーの電波強度も大きくなります。今回の観測中も目視で規模の大きな流星が数個観測されました。図に示した観測データは日の出後のもので目視観測はできませんでしたが、航空機による反射(横線)とはっきりと区別できるものを示しました12日深夜から13日未明にかけての目視観測と電波観測データの対応は分析中です。



感想文より)天候に恵まれたとはいえない観測会でしたが、津波・プラネタリウム・流星・電波観測・太陽観察など内容は盛りだくさんでした。大規模の流星も観測できて大満足です。自分たちで望遠鏡をセットして観測したのははじめてで、アンドロメダ銀河が見えたときには感動しました。学校での冬の観測会が楽しみです。

2010年8月9日月曜日

サイエンスツァー② 東京・横浜研修 2010.8.2~4

 さまざまな科学を体感するサイエンスツァーの企画第2弾。1・2年生の希望者14名と付添教員4名で,2泊3日の東京・横浜研修旅行に行ってきました。

【第1日目】

◇日本科学未来館 ~展示の前でプレゼンテーション~

 まずは,日本の先端科学技術を体感することのできる施設「日本科学未来館」を訪問しました。最初に館のスタッフからガイダンスを受けた後,生徒は4人(または3人)ずつの班に分かれ,各班の中で各自があらかじめ決めておいた展示フロアを見学しました。

 <4つの展示フロア>
  「技術革新と未来」 「情報科学技術と社会」
  「生命の科学と人間」 「地球環境とフロンティア」 
  • 各生徒は担当フロアでいろいろな展示を見ながら,自分がプレゼンしようと思う展示を一つ選び,展示スタッフとの対話や交流をしながら,展示内容のポイント・疑問点・感想・意見などをワークシートに記入しました。

  • 一度全員が集まり,館のスタッフよりプレゼンテーションの仕方についてレクチャーを受けた後,各班のメンバーは,順に各自の選んだ展示の前で他の班員に対してプレゼンテーションを行い,発表後は相互評価を行いました。

 また,当日は「若手研究者交流イベント」というがあり,4人の若い研究者達による最先端の科学に関する講演を聞くこともできました。


【第2日目】

◇国立科学博物館

 「人類と自然の共存をめざして」をテーマに数多くの展示が見られる「国立科学博物館」を見学しました。昼食の時間も含めて約3時間半の見学時間をとりましたが,充実した展示を体験するにはまだまだ時間が足らないくらいだったようです。


◇SSH生徒研究発表会 ~ポスター発表の見学~

 午後からは上野から横浜みなとみらいへ移動。パシフィコ横浜の展示ホールにおいて,全国のSSH校から出展された118のポスター発表を見学しました。各校のポスターの前では,発表者が意欲的にプレゼンをする姿,そして見学者からは積極的に質問をする姿を見ることができ,千里校生たちも大いに刺激を受けたようです。千里高校からは,「自作簡易比色計を用いた光化学オキシダント測定装置の開発」と題したポスター発表がありました。
 => 「ポスター発表賞」を受賞しました!!

【第3日目】

◇SSH生徒研究発表会 ~代表発表校による口頭発表~

 前日の午前に行われた4つの分科会から,それぞれ優秀な発表として選ばれた代表校4校の口頭発表がパシフィコ横浜の大ホールで行われました。

①「銅イオンの還元を利用した色ガラスの作製」大阪府立大手前高等学校
②「レッドスプライトは真実なのか?~PartⅡ~」愛知県立一宮高等学校
③「曽根干潟におけるヘナタリの分布と環境の関係」明治学園中学高等学校
④「数理生態学に基づく感染症の流行予測~感染症モデルの構築と数学的考察~」兵庫県立神戸高校

 3000人以上が入れる大ホールに,全国のSSH校の生徒たちが一堂に会して行われた発表会でしたが,大勢を前にしていずれも堂々たる発表で大変すばらしいものでした。2年後には千里高校も口頭発表に参加することになっています。


2010年7月23日金曜日

サイエンスツアー① 海洋生物実習 2010.7.21

 総合科学科2年生8名が,福井県の越前海岸(茱崎海岸)で海洋生物のサンプリングをしてきました。1年生が行ってきた神戸大学との連携授業を,2年生の科学探究の時間にも拡大して行うことになったものです。

 残念ながら,潮の流れが悪かったこともあり,目的のクラゲは全く捕獲出来ませんでした。しかし,普段は見ることの出来ない定置網漁を見学しながら,アジの群れが泳ぐ様子,トビウオの親子,カモメが小魚をねらっているところなど,海洋生物の観察をしました。


 また,新鮮なイカ,カワハギやアジのさばく方法を地元の方に教えて頂き,自分でさばいた海の幸を食べる,現地ならではの経験ができました。





2010年7月16日金曜日

神戸大学連携授業 2010.7.12

 総合科学科1年生120名が,神戸大学海事科学部のある深江キャンパスを訪問しました。神戸大学との連携授業は,これまで神戸大学が実施するSPP(サイエンス・パートナーシップ・プログラム)として実施していましたが,今年度からは千里高校のSSHプログラムとして実施することになりました。
 当日は大雨・強風など様々な注意報が出されるという悪天候のため,午前中に予定されていた練習船「深江丸」の出港が中止となり,岸壁で停泊したままの乗船実習となりました。午後の模擬授業は予定通り実施され,生徒は30名ずつの4講座に分かれ,約2時間にわたって講義と実験・実習を体験しました。
 (A)田辺 祥子 先生「海の中の見えない生き物たち」
 (B)三村 治夫 先生「海水を採取して海洋細菌の塩化ナトリウム耐性を調べる」
 (C)段  智久 先生「エンジンをきれいに運転するには」
 (D)大澤 輝夫 先生「地球温暖化のメカニズムを理解しよう」

雨の中の乗船
船内講義
大学院生(TA)による実験指導
模擬授業での実習

2010年7月4日日曜日

千里高校のSSH

千里高校のSSHでは,「科学への興味・関心を高め,自ら科学的に探究する力の向上を図り,将来,科学・技術の幅広い分野で活躍し,国際社会の発展に貢献できる人材の育成」を目標に,大学・研究機関との連携,国際交流プログラムを活用した理数カリキュラム及び教材の実践的な研究開発等を行っていきます。具体的な取組内容については,今後ホームページ等によりお知らせしていきます。