兵庫県佐用町にある大型放射光施設Spring-8(スプリングエイト)では,放射光と呼ばれる電磁波(光速で直進する電子を磁石により進行方向を変えられたときに発生する電磁波)によって,原子レベルの微細な構造や働きを観察することができます。同規模の放射光施設は世界に3か所だけです。
講演では,放射光の作り方や放射光と物質の相互作用について,またSpring-8の利用状況や学術成果についての解説がありました。放射光を用いると,極限的な微量分析が可能で,例えば押収麻薬をつくった国や地方が特定できたり,現場に残った微量の繊維から,その種類や製造元まで判定したりすることができます。科学捜査に使われる分析法について,丸秘でないもののお話も伺うことができました。
1年生の生徒たちにとって難しい内容が含まれており,十分な理解ができなかった部分もありますが,講演を通して,放射光の利用を含め,社会に役立つ仕事について考えるきかっけになったかと思います。